おいしいお米って?

稲作が終わって1ヶ月が経ちました。


お世話になった方におすそ分けしたお米が「おいしい!」

と返ってくるこの時期は嬉しくて仕方ありません。


一方で、「今年のお米どうやった?」と質問されることが多くあります。

味のこと?生育のこと??とっても難しい質問です。

※田植え後37日目の苗。今年は「中野式除草機」を試みて除草が楽しかった。


稲の状態や生育状態については、毎日の観察状況や、穂のなり具合など

細かくお伝えできますが、”味”についてはどう答えたらいいのか。。

正直な気持ちなんです。


「美味しい」は人によって捉え方が違う。


僕は毎年「今年も美味しくできました!」と自信を持って言えるよう(実際言えます。)

田んぼと向き合っていますが、「美味しい」という言葉でまとめていいものか。


「おいしい」が正しい表現かどうか、言葉の伝え方で悩んでいます。

(自分の語録が少ないのが悔やまれる)


同じ町内でも、地質や水によって味が全然違う。

もちろん品種によっても。


これだけでも、もうわからない!ってなりますが。

実は、新米って時間が経つにつれて味がまとまってくるんです。

収穫してから半年後の春先に一番美味しくなると言われる品種もあります。


籾摺りが終わり「新米が食べれる!」と嬉しさ、達成感に溢れた一口目は、

味覚以上の感情で正しく判断ができませんが。


1ヶ月、2ヶ月と時間が経つにつれて、味が落ち着いてきます。


つい先日食べたお米は、まさに”落ち着いた甘さ”

一粒一粒がしっかり味を主張していて、4杯も食べてしまいました。

じゃあ、自分たちが「美味しい」と言えるお米って何だろう。


味覚の”おいしさ”を追求し、発信し続けることが僕らのお米づくりなのかなって、

食べながらついつい考えてしまうことがあります。


そんな時、ふと”地の味”という言葉を思い浮かべ

その土地で作られた”お米”を食べれるって本当に幸せなことなんだなと

改めて感じました。


そしてもう一つは「自分たちが食べ続けたいお米を育てる」という想い。


”その土地”で”食べ続けたい”と思える作物やお米を育てる

ってことが僕が育む美味しいの原点なのかもしれません。


”食味”や”価格”を求めて稲作をしたい訳でもなく、

ランクや評価を追求することにやりがいを感じている訳でもない。

(一つの基準としては、参考にさせてもらってます)


・自然の循環に肌を触れさせながら、五感を研ぎ澄まして毎日を過ごす

・稲の生長と、僕らの暮らしを照らし合わせていく

・安心安全なお米を育てるため、農薬や肥料を使わず自然と関わる時間を大切にする

きっとこんなお米づくりをして、育ったお米を食べたいんだなって。


それを食べ続けていきたいから、

自然と”おいしい”って感謝の言葉に繋がるんだと思います。


その美味しいが、次の年のエネルギーになっていく。

その土地のお米が日常の食卓に並ぶって、とても贅沢なはず。


「できて当たり前」

そんな風に思うことなく、毎年できたお米を味わって食べ続けていきたいです。


今年も自然に沢山触れて学んだ「美味しいお米」ができました!

まとまりがなくてすいません。

エタノホ

CONCEPT/くらしを耕す 「師匠との出会いから始まった原体験を次の世代に」 私たちは徳島県神山町にある江田という小さな集落で活動する団体です。 美しい棚田の風景を誇る集落で一組の夫婦と出会い お米づくりを中心とした”農ある暮らし”を実践しています。 地域との交流を経て学び得る知恵や技術を丁寧に受け継ぎ、 古き良き棚田の風景、暮らしを次の世代に承継していく活動です。

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