振り返ることを学ぶ

今年から新しく借りた田んぼ12番。


田んぼは7畝ほどで、そのうちの5畝を使わせていただきました。

この田を借りるにも、二転三転状況が変わり大変でした(汗)


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2019.12月    田んぼを借りないかと打診

2020.4月上旬   所有者との話し合いが停滞し、一度白紙

     4月27日  一転田んぼを借りれることに

     5月4日   田んぼの管理開始

     5月13日  代掻き

     5月17日  田植え

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この場所は、ずっとじいちゃんが一人で管理して来た田んぼで

昨年は農薬も撒かず、雑草だらけの光景をみて「来年は大変そうだ…」と

思ってたら、まさか自分たちが管理させてもらえるとは。


さて、こんな急ピッチで作った田んぼはどうなるかというと。

(1)雑草や菜の花が未分解で”還元化”を起こす

(2)土に埋め込められなかった、雑草類が地表や水面に溜まる

(3)ガス”ワキ”が溜まり、根詰まりや生育不良に。


特に(3)は環境がひどく、硫黄の匂いが田んぼから離れた場所でも確認でき

足を踏み入れると、泡がボコボコと沸き立ちます。


この環境下で中野式除草を試みるも

・雑草が絡まって前に進まない

・機械植えで苗が歪なので綺麗に除草できない

という流れにたどり着きました。


まずは、ガスを定期的に抜き、根の伸長を促すためにも

4年ぶりに中耕除草機を導入することにしました。

「中耕除草機」

中野式除草機を導入する以前は、こちらをメイン機具として使用していたので

とっても懐かしい反面…今改めて使うと色々な気づきを得ました。

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[中耕除草機の気づき]

・重い

・草を取り除いてない(埋めてるだけ)

・地中の種が浮いてくる

・ガス抜きには最適

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では、仮にガスを発生させない圃場で使用するとなると…正直デメリットしか思い浮かびません。


初心にかえり道具や田んぼと向き合うと、いかにして「中野式除草」が自分たちの”田んぼづくり”に必要不可欠かを気づかせてくれる機会になりました。

メンバーも、中耕除草、チェーン除草、八反ずり、デッキブラシ、手除草。


様々な除草を試した中で、改めて良さを見出すのは経験が為すもの。


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仮にA圃場で「中野式」と「中耕除草」を比較すると

[中野式除草]

株間・条間 8時間×2回

[中耕除草]

株間・条間 5時間×4回+手除草

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ここで大切なのは”除草”できてるかどうかです。


1回の作業時間は中耕除草が有利ですが、全体の作業時間で見たら半日以上中野式の方が作業効率が良い。


中耕除草は種が浮き出て、数日後には雑草を助長させてしまい除草の本質である「草を除く」ことにたどり着いてない。


中野式除草は時間と細かな気配り?が必要ですが機具の扱いも楽だし、姿勢も一定。

何より種も浮かび上がらせることなく、草を除けるので理にかなってます。


そして、稲の生長過程に負担を強いらないことはとても重要です。


最高分げつ期までに雑草に栄養をとらせないことは無農薬栽培で一番の課題。


12番を借りて、整備しきれてないポイントを見つめ直し改めて自分たちが築いてきた圃場の扱いやすさを身にしみて感じることができただけでも圃場を借りた価値があったと思います。

12番圃場の稲がより気持ちよく生育してもらえるように次年度はより畦と土づくりに時間をかけていきます。


(筆)植田

エタノホ

エタノホ/くらしを耕す 「棚田とくらしがつながる」 日々、暮らしの積み重ねが棚田の風景を育む 江田で1組の夫婦と出会い学んだ大切な視点です。 美しい風景を守る上で私たちは ”この場所で暮らし、田を耕す”ことを選択しました。 お米づくりを中心とした農ある暮らしを実践し 未来に伝えたい棚田の風景を育んでいます。

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