【結果報告】食味検査

2018年より収穫した玄米の食味検査を実施しています。


今年収穫したお米も3検体郵送し、検査を行ってもらいました。


【2020食味検査「速報」】

検体A 76点

検体B 73点

検体D 74点(師匠)


また80点の壁が超えられなかった。。

「なぜ80点を超えれないのか。」


今回はこれを紐解いてみます。


▪︎疑問1

『AとDでは、検査項目の数値に大きなバラつきがあるのになぜスコアがほぼ同数なのか』


Dのポテンシャルに可能性も感じながら(やはり師匠のお米は美味しい)

・地力の問題?

・栽培圃場の違い?

・無肥料だから秋落ちしてる?

・登熟期の高温障害?

考えたらキリがありませんが、一つだけ「A」と「D」で違いがありました。


それは「粉状質粒」。

玄米時には「白未熟粒」とも言われる、一般的な「不良米」の含有率です。


僕らは今「暮らしに寄り添ったお米の生産」を大切にし

その食味を検査していましたが、本来色彩選別機等で「不良米」を弾き

食味等を判断するのが常。(だそうです)


要は、高温障害等で生じた未熟粒の含量が「A」と「D」で大きく違ったのです。

「A」は、自然栽培米で黒点米も含む、 未熟米や胴割れと言ったお米も含み検査

「D」は、減農薬で虫の被害も、また未熟米の割合も少なく、『整粒』が多いお米で検査


これを紐解くと、検査対象として未熟米(特に中心部が白い乳白米)はお米の食味に関係する「タンパク質含率」が高くなる傾向にあり、食味が落ちるとのこと。(あくまでも仮説)


タンパク含有率が高い(8%以上)・・・食味評価が低い

タンパク含有率が低い(7%以下)・・・食味評価が高い


玄米タンパク質含率は、お米のデンプン割合が多いと低くなり、食味や味の評価が高くなります。


では、デンプンの含有はどう決まるか。

デンプン含有率が低い・・・高温障害等による乳白米が多い

デンプン含有率が高い・・・順調に生長した「整粒」が多い



棚田のお米が美味しいと言われる一つの所以がここにあるんですね。

要はいかにして「整粒」の割合を意識し、デンプン含有の高いお米を育てられるか。


美味しいの理由を紐解くとまだまだお米づくりは奥が深い。

 

そして、食味検査一つにしても、色彩選別機で「整粒」を選別し検査にかけることも視野に入れ、しっかりとした判断を仰ぎたいと思います。


何でもかんでも、検査結果が正しいとは思いません。

 

他の地域で生産される美味しい(人の食感で)お米も、検査に出せば70点以下はざらにある。

何が正しいか、その判断基準も科学の力は必要だと思いますが、作り手の想いや苦労をしっかり受け止め、その”美味しさ”を味わい続けてくれる”人の温度”も大切な判断基準です。


正しく、シンプルに美味しいを伝えていけるようもっとお米づくりを学び、実践し続けてみます。(笑)

エタノホ

エタノホ/くらしを耕す 「棚田とくらしがつながる」 日々、暮らしの積み重ねが棚田の風景を育む 江田で1組の夫婦と出会い学んだ大切な視点です。 美しい風景を守る上で私たちは ”この場所で暮らし、田を耕す”ことを選択しました。 お米づくりを中心とした農ある暮らしを実践し 未来に伝えたい棚田の風景を育んでいます。

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