日々の手入れの大切さ


皆さん集落の耕作放棄地(主に棚田)の手入れってどうやって管理してますか?


私たちが活動する”江田集落”も、高齢化により活力の低下が顕著に表れ始め、草刈りをはじめとした”日々の手入れ”について頭を悩ませてます。

エタノホは現在、下記の田畑や耕作放棄地を2名体制で維持管理しています。

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●田んぼ (14枚)・・・2反3畝

●畑    (3枚)・・・5畝

●茶畑   (1枚)・・・8畝

●耕作放棄(??枚)・・・約1町(※そのうち7反は年によって変動あり)

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主に「中山間地域等直接支払制度」に関連する農地の管理が仕事になります。

実は、この制度における農地の管理について頭を悩ませてます。


【集落の移り変わり】

2012年から集落の移り変わりを間近で見てきました。

いわゆる「外の目」で、この土地に根付く関係性や小さな習わしも含めて。

世代交代の成り行きも肌で感じる機会を頂いてます。


その中で、一番変化を感じているのが”活動意欲の低下”です。

以前は、集落をあげて取り組んでいる”菜の花祭り”を筆頭に集落総出で景観維持や美化活動に取り組んでいました。「ここまで手を入れるのか?!」とびっくりするほど、落ち葉ひとつない道の清掃、年4回以上の草刈り。通年通して、集落の景色を見るだけでも幸せな気持ちになっていました。


人の手が入る風景の美しさを感じる場所でしたが…

この数年、景色は一変します。


■「これぐらいでいいだろう。」という妥協が生じる

近年、集落の意欲が低下してきた理由の一つに「妥協」があります。

もちろん、高齢化により足腰に負担がかかることは重々承知の上。

危険な作業も極力してもらいたくないのも事実です。


しかし、どこかで一度でも「これぐらいで大丈夫だろう」と判断すると、元々100%で頑張っていた活動が90%になり、仕舞いには元に戻らず下がる一方に。


若手であるエタノホが集落に掛け合い、草刈りをはじめ手入れに踏み込んだ提案をすると・・

●「やるなら無償でやってほしい」(ボランティア精神が常)

●「草刈りしても変わらない」

●「やるなら集落の考えに沿ってほしい」


大体は、この返答のどれかに当たります。

「やる」という気力を失いつつある集落が、これからどうやって以前ないしこれからの未来に向けて現場を打破できるのか。


そしていつまで、お金ありきで作業の実用を図るのか。

(※資金は絶対必要なので、お金が不必要と言ってるわけじゃありません!)

   正しい使い方ができないか、もう少し検討してほしい意味を込めてます。


■世代交代で見える不安

最近、一つ大きな不安があります。

「農地の管理者の世代交代」


今まで、僕らの活動を直近で見てくれた世代が退き、主に町外に出ていた息子娘世代が戻ってきました。集落としてはありがたいことだと認識してますが、農地の管理に関しては不安もあります。

今まで出役や美化活動に積極的な参加をしてない方が、農地の管理について口を挟むケースが増えているからです。もちろん、土地の所有者が考える在り方に異論を唱えることは難しいのは大前提。

しかし、管理もできず農地が荒れていく様は見ていて辛いものがあります。

僕らは、この世代こそ次の集落を担う大切な存在と位置付けて、もう少し交流をはかりながら様子を見ていこうと思います。


■草刈りの回数はどうやって決める?

草刈りのタイミングって人それぞれですよね。

最近、江田集落で頼まれる草刈りは「出来るだけ省力化でお願いします」。

頻度で言えば、2ヶ月に1度。

結構大変です。

時期を見失えば、雑草は延びるだけ。


①回数を減らして、伸びきった草を力任せに刈るのか

②回数を増やして、短い草のまま、力を入れず刈るのか


例えば、同じ10時間を活用するのに皆さんはどう判断しますか?

①1回3時間を、3回刈る

②1回1.5時間を5〜6回刈る


伸びきった雑草を刈り込むのって結構時間を使いますよね。

しかもその後、耕運するとき機械の刃に雑草が絡まる。


回数を減らし、必要な時だけ草を刈ることにメリットを感じません。


集落で長い間農地を管理してきた一つ上の世代(70-90歳)が集落の美を彩ってきたのも日小さな手入れをして、人が目にする場所に”美”の意識を持っていたからこそ。

 

「時間がある時、まとめてやればいいや


この甘い誘惑が蔓延る世代が集落の景色をどう継いでいくのか。


僕は、回数を重ねても日々手入れする豊さを忘れたくありません。



エタノホ

エタノホ/くらしを耕す 「棚田とくらしがつながる」 日々、暮らしの積み重ねが棚田の風景を育む 江田で1組の夫婦と出会い学んだ大切な視点です。 美しい風景を守る上で私たちは ”この場所で暮らし、田を耕す”ことを選択しました。 お米づくりを中心とした農ある暮らしを実践し 未来に伝えたい棚田の風景を育んでいます。

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