2017年の稲作、今一度初心に戻ろう。

稲作に携わり初めて7回目の年。

最初の4年は、見よう見真似で前任者の背中を追いかけるばかりでした。

”無農薬で栽培しましょう”と腹を括り、試行錯誤してきた時間が懐かしいです。


栽培1年目の年、無農薬で栽培するという思いは、集落の中でも響くことがなく

「薬を撒かずにできるか!」

「収量が落ちて何になる」など厳しいお言葉(助言)を頂きました。


おっしゃる通りです。


来る日も来る日も師匠の家に伺い、話を聞いたり、僕らの思いをお伝えしたり

(いい迷惑だったと思います 笑)

伝えるって根気がいるなって、その当時痛感しました。


最初は「この集落の景色を受け継いでいく上でも、新しい農業の形を実践したいね」と

仲間内で話し、無農薬でやってみよう!と意気揚々スタートして見ました。


願わくば、この集落が有機栽培の集落になって、共感を広められれば。

なんて淡い想いも込めて。


しかし、経験も知識もない想いだけの若造に突きつけられた現実は手厳しいもの。

病気にかかるは、収量は激減するは。

何も言い返せない結果に、唖然としたのは今でも忘れられません。


何がいけないのかも分からず、とにかく課題を見出し次の年に活かそうと

集落のみなさんに聞いて、本や資料を見て勉強しました。


2年目はもっとひどかったです(笑)

反収1俵。

さすがに、気持ちが折れて、本気で悩んだけど、ここで諦めなくてよかった。


自然栽培で稲作をしている方に話を聞いたり

今一度、本を舐め回すように読み漁り、課題を追求してみた。


「3年目から収量が増えるよ。諦めたらダメだ。」という言葉を信じて

(1)苗づくり

(2)除草

(3)根の伸長

(4)しっかりと向き合う


このポイントに沿い、一つ一つ丁寧に行ったところ、収量も稲の状態も格段によくなってきました。

年々の気候変動にもよりますが、今では反収3.5俵(2反で約400kg程)まで回復。

目立った病気も罹らず、順調に稲作を楽しめています。


何よりも、最初否定的だった師匠も最近では「無農薬がお前たちのブランドじゃけんな」と

肯定的になったのが嬉しい。


毎年、過去一番じゃとおっしゃる師匠の目が応援に変わっているのが、僕らのやり甲斐に繋がっています。


大きな目標は大切です。


だけど、目標ありきで動くと足元にある大切な関係性や信頼が見えてるようで
見きれていないようにも感じます。


風景を受け継ぐ、有機の集落にしたい。

この想いは抱きつつも、まずは自然農や無農薬でやる!と決めた自分たちの思いを

集落の皆さんに感じてもらえるように実践することが大切です。


自分自身が、この栽培方法で続けていく背中を見てもらいたい。

中途半端にやったら、中途半端な想いしか伝わらない。


慣行栽培にも引けを取らず、引き算の農法で可能性を感じてもらえるように

毎日田んぼで稲を見ることが僕の日課になっています。


そして、収穫時には「今までで一番!」と毎年言えるよう。


35歳になって、70歳まで稲作を続けるにもあと35回しかできません。


最後に食べるお米が人生で一番美味しいと思え、

それを仲間内で共有できるような楽しいお米づくりを続けていきたいです。


今年も大切に田植えを行いたいと思います。



エタノホ

くらしを耕す 徳島県神山町にある江田という小さな集落。 私たちはこの地で1組の夫婦と出会い、田んぼをはじめとした“農”や、美しい棚田の風景を織りなす“くらし”を学び続けています。 「人のくらしが織りなす風景を、これからも受け継いでいきたい」 農を通じた人や地域との交流、そこから得るくらしの知恵や技術。「くらしを耕す」とは、その学びを通じて、“これから”を丁寧に育んでいくという想いを込めています。

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