2019年 稲作が始まりました!

毎年、江田集落は4月15日前後を境に菜の花まつりが終わります。


そこから、いよいよ田んぼがスタートします!

ということは、4月15日を過ぎないと田んぼの準備ができません(笑)


本来、菜の花がない場合を仮定すると・・・

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秋/荒耕(有機物の分解促進)

春/中耕(田んぼに酸素を送り込む) 2月〜3月頃

  代掻き(田植え2週間前)    4月下旬

  本代掻き(田植え1週間前)   5月上旬

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これが、多くの農家さんが辿る道だと思います。


しかしながら、江田集落は菜の花の里。

菜の花まつりを終えてからの1ヶ月で田んぼを準備しなくてはいけません。


秋の耕運、春1ヶ月の準備を間違えると、お米の生育、品質に大きな影響を及ぼします。

田舎でお米づくりをしてる!

で満足しないためにも、自分なりの仮説や体験をしっかり考え実践していきたいものです。


【秋は地温の高い10月上旬までに荒く耕す】

「稲ワラを分解する微生物は、15℃以上の地温で活性化し、稲ワラを分解するのに多くの窒素を必要とします。すき込み時期が遅れると、作物が窒素を必要とする生育時期に微生物と窒素を奪い合い、窒素飢餓を引き起こすおそれがあります(引用)」


 収穫後の田おこしは、できるだけ”荒く”耕します。

菜の花の種まきに合わせ11月中旬には中耕でもう一回耕しますが、その間地温が高い期間になるべく藁の分解を進めるのがポイントです。


加えて、溝掘も行います。

排水をしっかりおこなうことで、土が乾き、春の耕運がとてもやりやすくなります。

土の呼吸、微生物の循環を意識しながら、田んぼの環境を整える。

まだまだ、未熟だけど意識するしないで全然見え方が違うのでここは大切。

 菜の花の分解を田植えまでの期間内でなるべく長く促進させて土を育まなくてはならぬのです。
担当が変わった4年前意識していることをまとめます。


(1)4月20日までに荒く耕す

 5-10cmほど荒く耕すことで、菜の花やその他有機物の分解を促進させます。

スケジュールを逆算し、最大15日を目処に田んぼをしっかりと乾かせます。


(2)5月3日以降に中耕

 2回目の耕運です。今回は10-15cmで設定し前回より少し細かく田んぼを中耕します。

本来は、もう少し長い期間分解させると良いのかもしれません。ですが、今できる適

地適作ではこれが限度。ここからさらに1週間ほど乾かします。


(3)5月12日から水入れ

 江田集落では、できるだけ大安に合わせ水を入れ、田植えを行うそうです。

僕らももう少し勉強できたら、そこに合わせてスケジュールを組みたいものです。

この時期から、水を入れ細かく耕します。 

代掻きは基本1回。ゆっくりと時間をかけて耕します。

畦周りは2〜3周し、5日ほど水のたまりを確認します。水が抜けやすい場合はもう一度

本代掻きを施し、仕上げに移ります。


(4)美味しいを伝えていくこと

 お米が美味しい!で終わらせず、もし美味しいと感じてもらえたらその裏に隠れている”作業行程”を伝えていくことも必要ですよね。

 手間がかかって大変で片付けられないように、この過程も楽しく、責任持って、協力してくれる仲間の今を尊重しながら手が加わってくれるよう発信していきたいものです。

 これらが後手に回ると、菜の花が未分解(軸が残ったまま)になり、水を入れた後にワキの発生に繋がってしまうので、苗の根が伸長しにくくなり、全体の生育に良い影響を

及ぼしません。


 4年間、地域の背中をみて自分なりに立てた仮説ですが、色々聞いてても概ね間違ってないはずです。周期を間違えると、土が弱くなり、稲も菜の花も生育しにくくなり、結局は肥料に頼る循環に陥りがちとなります。
(そして、窒素分の多い肥料を与えてしまうと、いもちにかかりやすくなる。。)

 

 田んぼは、土を耕して、水を張って、田植えをすればいい問題ではないとこの集落で学んでいる気がします。同じ神山でも、地域が違えば行程やスケジュールが違う。

 その場所で稲作に携わる身、適地適作を心がけたいと改めて感じました。

エタノホ

CONCEPT/くらしを耕す 「師匠との出会いから始まった原体験を次の世代に」 私たちは徳島県神山町にある江田という小さな集落で活動する団体です。 美しい棚田の風景を誇る集落で一組の夫婦と出会い お米づくりを中心とした”農ある暮らし”を実践しています。 地域との交流を経て学び得る知恵や技術を丁寧に受け継ぎ、 古き良き棚田の風景、暮らしを次の世代に承継していく活動です。

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