2019年 稲作が始まりました!

江田集落のお米づくりは4月2週目の月曜日から。

集落の一大イベントである「菜の花祭り」が無事終わり、菜の花の刈り取り(&すき込み)が終わるといよいよ稲作のスタート!


※本来、菜の花がない場合を仮定すると・・・

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秋/荒耕(有機物の分解促進)

春/中耕(田んぼに酸素を送り込む) 2月〜3月頃

  代掻き(田植え2週間前)    4月下旬

  本代掻き(田植え1週間前)   5月上旬

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これが、多くの農家さんが辿る道だと思います。


しかしながら、江田集落は菜の花を終えてから1ヶ月で田んぼを準備します。

秋耕起、田おこしのタイミングを間違えると、お米の生育・品質に大きな影響を及ぼします。


田舎でお米づくりをしてる!で満足しないためにも、自分なりの仮説や体験をしっかり考え実践していきたいものです。

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●エタノホが準備で大切にしていること

❶ 秋耕起…知恩の高い10月上旬までに荒く浅く耕す

 「稲ワラを分解する微生物は、15℃以上の地温で活性化し、稲ワラを分解するのに多くの窒素を必要とします。すき込み時期が遅れると、作物が窒素を必要とする生育時期に微生物と窒素を奪い合い、窒素飢餓を引き起こすおそれがあります(引用)」

春までに地温の積算温度を1800℃まで加算させ、土中分解を促進

❷ 溝堀…排水促進

 田んぼ周りの排水路を丁寧に清掃し、土砂物を除きます。

水が溜まる圃場は、のちの生育に悪影響を及ぼすのでエタノホではできるだけ乾燥土を意識した管理や環境整備に徹します。

❸ 田起こし…菜の花(緑肥)の分解促進

 (1)4月20日までに荒く耕す
    5-10cmほど浅く荒く耕し、菜の花や雑草などの有機物を分解させます。

 (2)5月3日以降に2回目

    前回よりも細かく耕し、雑草等を土の中まですきこみます。

   本来はもう少し長い期間分解させると良いはずです。今できる適地適作はこれが限度。

   ここからさらに1週間ほど乾燥させます。

 (3)5月10日以降に荒掻き

    江田集落では大安に合わせて水入れ、田植えを行うそうです。現状は兼業農のため、
   仕事優先のスケジュールのため難しいですが、いずれは意識したいものですね。

   代掻きは基本1回、ゆっくりと時間をかけて耕すこと。畦周りは2〜3周し、5日ほ    
   ど水のたまりを確認します。水が抜けやすい場合はもう一度本代掻きを施し仕上げに。

 (4)美味しい理由は何か
    もし美味しいと感じてもらえたらその裏に隠れている”作業行程”を伝えていくこと       

   も必要ですよね。「手間がかかって大変!」で終わらないように、この過程も楽しく、  
   責任持って、協力してくれる仲間の今を尊重しながら手が加わってくれるよう発信して
   いきたいものです。

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この一連の作業が後手に回ると、菜の花が未分解となり水を入れた後田んぼには有毒ガス(ワキ)が発生します。

 4年間、地域の背中をみて自分なりに立てた仮説ですが、色々聞いてても概ね間違ってないはず。周期を間違えると、土が弱くなり、稲も菜の花も生育しにくくなり、結局は肥料に頼る循環に陥りがちとなります。
(そして、窒素分の多い肥料を与えてしまうと、いもちにかかりやすくなる。。)

 

 田んぼは、土を耕して、水を張って、田植えをすればいい問題ではないとこの集落で学んでいる気がします。同じ神山でも、地域が違えば行程やスケジュールが違う。

 その場所で稲作に携わる身、適地適作を心がけたいと改めて感じました。

エタノホ

エタノホ/くらしを耕す 「棚田とくらしがつながる」 日々、暮らしの積み重ねが棚田の風景を育む 江田で1組の夫婦と出会い学んだ大切な視点です。 美しい風景を守る上で私たちは ”この場所で暮らし、田を耕す”ことを選択しました。 お米づくりを中心とした農ある暮らしを実践し 未来に伝えたい棚田の風景を育んでいます。

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