田植えが終わったー!
この3日間、江田集落に携わってくれた全ての人に感謝いたします。
例年になく水不足の環境下で、田植えまでの準備に相当手こずった今年。
この学びはしっかりと来年に活かしたいと思います。
さて、準備を経て意識したことを書き留めておかなきゃ。
僕らがお米を作ってる場所は、集落です。
自分たちだけで、水を使い、田んぼを耕して、ペースを組み立てれる場所ではありません。
”集落のリズム”が存在して、そのリズムこそが景色や暮らしを育む大きな要素だと考えます。
(米作り1年目、このリズムについて結構怒られました。。)
水がないときは、みんなで分け合う。
水がないなら、水を溜める圃場や土作りに時間をかける。
耕して、水を入れて、泥を作ったら田植えではありません。
特に無農薬で栽培するなら、準備には多くの時間を要するはずです。
そんなことを改めて胸に抱き作業できた圃場は、見て居て気持ちがいい。
特に気になった3点が下記の内容になります。
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【水を溜めるって?】
波板を打ち込めば水が溜まると思い込んでた数年前。
水の流れをイメージすると決してそんなことはない気がします。
波板が稲作の文化に入り込んできた理由、その前後の意味をしっかり理解して
・水がどこから抜けるのか。
・代かきすると、なぜ水が溜まりやすくなるのか。
これを考えきれないと、大切な水資源を馬鹿みたいに使っては捨てての繰り返しになります。
田植えまでの準備を10で考えると、田植えは1にも満たない。
代かきまでの水溜めの作業に6から7の労力を必要とします。
それぐらい水を溜めるって田んぼをやる上で、必要不可欠というか基本になる気がします。
【水を活かす】
江田集落の水路はコンクリートが大部分ですが、
長年補修せず使い続けている手前亀裂による漏水が目立ちます。
下流にいけばいくほど、この漏水が原因で水が減少する。
水を溜めなきゃ稲は育たないのであれば、水の流れを自分で生み出さないといけません。
その一つが、田んぼから田んぼへ。
水路を這わすことなく、田んぼの水を直接田んぼに流せば水は十分に存在します。
この原理、今まで曖昧のまま理解しきれなかったけど、今年ようやく理解できました。
「川の水があるなら沢山使えばいい」
こんな考えを持って田植えをしたら、結局は消費者でしかないですよね。
水を入れる時間は、水量によって前後しますが
その時間を惜しむことは人間本位のわがままな意志です。
資源は有効に、大切に使えるよう考えていくのが、一つの礼儀だと考えます。
【準備に時間をかける】
「準備8割。この時間を疎かにするな!!!」
江田のおっちゃんに口うるさく言われてます(笑)
責任者となれば日頃作業してくれる仲間に二度手間はかけさせたくないので
一層スケジュールをイメージして、工程を組み立てていきます。
大切な時間、資源を使う上でも”準備”には時間をかけるようにします。
特に、各作業工程の意味をしっかり理解すること。
・なぜ田おこしが必要?
・代かきの意味は?
・無農薬でやるために、どんな圃場に仕上げるの?
この3点を軸に、分からないことは師匠に聞いて自分たちの作業に落とし込み
自分たちの方法を組み立てるようにしてます。
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今、無農薬栽培がトレンド?みたいになって
田舎ですぐに「無農薬でお米づくりができる!」みたいな流れもあります。
みんながお米をつくること、それを食べる循環には大いに賛成ですが
自然の流れ、集落のリズムを熟知せず
自分たちの好き勝手に田んぼをしてしまうのはどうなんでしょうか。
と最近特に感じることがあります。
人生は失敗した方が楽しいし、楽しいことは、楽じゃない!
楽しみたいなら、人一倍の苦労や努力は絶対に必要。
無農薬って覚悟がいるし、根気もいる。
何より自分たちの生活に多少の支障が生じるほど大変な作業。
その覚悟と責任をしっかり踏まえつつ、楽しく美味しいお米づくりを
仲間とともに歩んでいきたいものです。
さて、今週末からいよいよ楽しい除草!
中野式除草機の2年目がスタートします。
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