草との共存

”写真1:田植えから28日目の田圃10番”


田植えから一ヶ月。

この30日間は、無農薬栽培のお米農家さんにとって大きな戦いとなります。

なぜ30日かというと、稲はこの基を境に最高分けつ期を迎えます。


【7日ごとに伸びる新根】

一般的に、最高分けつ期を持って稲の根は伸長を減退させ、これ以降に除草すると必ず根が切られ生長に支障をきたします。


逆に30日までは根が切れても7日毎に新しい根が伸びるそうです。

根は7日以上新根を生えさせると生長が著しく伸び、無肥料でも大きく生長します。

ということは、田植えから21日目を一つの区切りにして除草を行うとその後も根が伸びる可能性が含まれ無肥料でも大事に至らない計算となります。

【僕らの圃場はどうか】

さて、僕らの圃場を見てみると多くは田植えから25−28日で除草を終え、少し遅れてるスケジュールです。

最後に残してる10番は田植えから30日を迎えようとしてます。(写真1)

写真を見てもらうとお分かりですが、一回の除草でほとんど草が生えてません。


果たして、この圃場に除草する意味があるのでしょうか?

根を分断させてまで草を取り除く意味があるのでしょうか?


この疑問を含め、中野式除草考案者の中野さんに相談させてもらいました。


【草は生えても仕方ない】

結論から申し上げると、「草は生えてきて仕方ない」という解釈。

要は、稲の生長期に雑草に負けない環境を整えるのが除草の本位であり

出てくる雑草を神経質になるぐらい取り除くのとは少し違う(個人的解釈)という勉強ができたのです。


でも、この妥協点を最初から植え付けてしまうと、そもそもの除草が疎かになってしまうので、僕が除草をお伝えするときには絶対伝えません。


しかし、今年は極力稲の生長に支障をきたさない除草の基準点を自分の経験に取り込みたく

試験的に田圃10番は1回の除草で終わろうと思います。



稲が気持ちよく生長期を迎えるためにも田植えから21日間はとても重要だと改めて学ぶことができ中野式には感謝しかありません。


「田植えから30日以内」までにどれだけ害(雑草)を出さず稲を気持ちよく生長させてあげれるか。雑草との共存をどこで妥協できるか。


まだまだ勉強しなきゃいけませんが、除草に対して神経質にならずより柔軟に判断が下せるようもっと経験を積みたいです。

エタノホ

エタノホ/くらしを耕す 「棚田とくらしがつながる」 日々、暮らしの積み重ねが棚田の風景を育む 江田で1組の夫婦と出会い学んだ大切な視点です。 美しい風景を守る上で私たちは ”この場所で暮らし、田を耕す”ことを選択しました。 お米づくりを中心とした農ある暮らしを実践し 未来に伝えたい棚田の風景を育んでいます。

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